施工中に関して

高さのある建物の中には必ず杭があり、建物が倒壊・沈下しないように支えている重要な部分です。当社では現場の長(トップ)として施工現場に着任します。重要な杭工事が問題なく安全に行われるように、管理者として主に以下の4つの管理を行っています。

b-1 安全管理

目的

安全に無事故で品質の良いものを作るために行います。

具体内容

毎朝KY(危険予知)活動を全員で行い、危険箇所・作業内容・役割分担・注意事項など確認し、周知します。また、作業中に危ないことが起きていないかどうかを常時監視しています。気を付けていることは新規入場の方(はじめて現場に着任した作業員の方)がいる場合、新規入場者教育を行い作業所のルールや危険箇所・立入禁止箇所について詳細に説明し、周知します。

b-2 工程管理

目的

予定が長引いて、予定外の原価が膨らむのを防ぐために行います。現場の後工程に支障をきたさないため。

具体内容

事前に計画を立てている工程に沿って工事が進められているかを確認します。遅延している場合はなぜ遅れているか原因を確認して、改善するための策を講じます。例えば作業時間を延ばしたり、機械の台数を増やして対応します。随時工事状況の進捗確認をすることは、工程管理の目的を達成させるために施工管理を行う上で重要です。

b-3 品質管理

目的

建物・構造物を支える杭は地中に埋まり、施工後の状況が分からなくなるため。

具体内容

杭工事の工法で主に使用されているものは「場所打ち杭」と「既製杭」です。

場所打ち杭とは、現場で鉄筋のコンクリート造の杭を造成する工法です。場所打ち杭の管理を行う上で気を付けていることは、大きく2点あります。1点目はまっすぐ穴を掘れているかです。まっすぐ穴が掘れていないと杭芯がずれてしまいます。杭芯がずれると、正規の場所に建物の基礎が作れなくなってしまうため、まっすぐ穴を掘れているかどうか管理します。2点目はコンクリートを打つ際、トレミー管が常に正しく入っているかどうかの管理です。コンクリートを打つ際。だんだんコンクリートが上がってくるのでトレミー管がコンクリートにきちんと入っているかどうか注意します。きちんと入っていない場合、コンクリートを正確に流し込むことができずコンクリートが分離して、セメントや石などにバラバラになってしまい強度が下がってしまいます。このことを防ぐために、トレミー管が常に2mコンクリートに入っているか管理することが重要です。

既製杭とは、場所打ち杭とは異なり穴にコンクリートを流し込むのではなく、事前に用意した杭を穴に挿入する工法です。穴を掘らずに直接杭を地面に入れる工法もあるため、状況に応じて工法を選択することが出来ます。既製杭の管理を行う上で気を付けていることは、大きく2点あります。1点目は打つ場所(ポイント)が正しいかどうかです。2点目は偏芯量などの規定が定められているためその規定に沿っているかどうかに気を付けて管理を行っています。また、場所打ち杭・既製杭の両方に共通して気を付けていることは所定の深さに掘ることができているか、また、正確に支持層に到達しているかどうかの管理です。支持層に到達していなければ、建物や構造物が沈んで傾いてしまうため、注意して管理を行っています。

b-4 原価管理

目的

実行予算と対比し、予算内(計画通り)で施工が出来ているか進捗しているかを確認するためです。

具体内容

見えない部分の工事の為、想定外の障害物(地中障害物や埋設管など)によって工事が中断した際には、稼働していない機械・作業員の費用が発生する場合があるため、障害物に対する撤去などの対応について現場と協議し、極力不要な原価の発生を防止します。また、顧客に対し追加での請求を要求する際は、費用に関する内訳(根拠)を作成します。